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第二十条 (診療の具体的方針)

(診療の具体的方針)
第二十条 医師である保険医の診療の具体的方針は、第十二条から前条までの規定によるほか、次に掲げるところによるものとする。

一 診察
イ 診察は、患者の日常生活、家庭環境等を考慮して行う。
ロ 診察を行う場合は、患者の服薬状況及び薬剤服用歴を確認しなければならない。ただし、緊急やむを得ない場合については、この限りではない。
ハ 健康診査は、療養の給付又は保険外併用療養費の支給の対象として行つてはならない。
ニ 往診は、診療上必要があると認められる場合に行う。この場合において、施設入所者に対する往診は、当該介護老人保健施設の医師との連携に配意して行い、みだりにこれを行つてはならない。

二 検査
イ 各種の検査は、診療上必要があると認められる範囲内において選択して行う。
ロ 同一の検査は、みだりに反復してはならない。
ハ 各種の検査は、研究の目的をもつて行つてはならない。ただし、治験に係る検査については、この限りでない。

三 投薬
イ 投薬は、必要があると認められる場合に行う。
ロ 治療上一剤で足りる場合には一剤を投与し、必要があると認められる場合に二剤以上を投与する。
ハ 同一の投薬は、みだりに反復せず、症状の経過に応じて投薬の内容を変更する等の考慮をしなければならない。
ニ 投薬を行うに当たつては、薬事法第十四条の四第一項各号に掲げる医薬品(以下「新医薬品等」という。)とその有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果が同一性を有する医薬品として、同法第十四条又は第十九条の二の規定による製造販売の承認(以下「承認」という。)がなされたもの(ただし、同法第十四条の四第一項第二号に掲げる医薬品並びに新医薬品等に係る承認を受けている者が、当該承認に係る医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能及び効果が同一であつてその形状、有効成分の含量又は有効成分以外の成分若しくはその含量が異なる医薬品に係る承認を受けている場合における当該医薬品を除く。)(以下「後発医薬品」という。)の使用を考慮するとともに、患者に後発医薬品を選択する機会を提供すること等患者が後発医薬品を選択しやすくするための対応に努めなければならない。
ホ 栄養、安静、運動、日常生活その他療養上の指導を行うことにより、治療の効果をあげることができると認められる場合は、これらの指導を行い、みだりに投薬を行つてはならない。
ヘ 投薬量は、予見することができる必要期間に従ったものでなければならないこととし、別に厚生労働大臣が定める内服薬及び外用薬については当該別に厚生労働大臣が定める内服薬及び外用薬ごとに一回十四日分、三十日分又は九十日分を限度とする。
ト 注射薬は、患者に療養上必要な事項について適切な注意及び指導を行い、別に厚生労働大臣の定める注射薬に限り投与することができることとし、その投与量は、症状の経過に応じたものでなければならず、別に厚生労働大臣が定めるものについては当該別に厚生労働大臣が定めるものごとに一回十四日分、三十日分又は九十日分を限度とする。

四 処方せんの交付
イ 処方せんの使用期間は、交付の日を含めて四日以内とする。ただし、長期の旅行等特殊の事情があると認められる場合は、この限りでない。
ロ 施設入所者に対しては、別に厚生労働大臣が定める場合を除き、健康保険法第六十三条第三項第一号に規定する保険薬局(以下「保険薬局」という。)における薬剤又は治療材料の支給を目的とする処方せんを交付してはならない。
ハ イ及びロによるほか、処方せんの交付に関しては、前号に定める投薬の例による。

五 注射
イ 注射は、次に掲げる場合に行う。
(1) 経口投与によつて胃腸障害を起こすおそれがあるとき、経口投与をすることができないとき、又は経口投与によつては治療の効果を期待することができないとき。
(2) 特に迅速な治療の効果を期待する必要があるとき。
(3) その他注射によらなければ治療の効果を期待することが困難であるとき。
ロ 注射を行うに当たつては、後発医薬品の使用を考慮するよう努めなければならない。
ハ 栄養、安静、運動、日常生活その他療養上の指導を行うことにより、治療の効果をあげることができると認められる場合は、これらの指導を行い、みだりに注射を行つてはならない。
ニ 内服薬との併用は、これによつて著しく治療の効果をあげることが明らかな場合又は内服薬の投与だけでは治療の効果を期待することが困難である場合に限つて行う。
ホ 混合注射は、合理的であると認められる場合に行う。
ヘ 輸血又は電解質若しくは血液代用剤の補液は、必要があると認められる場合に行う。
ト 点滴注射は、これによらなければ治療の効果を期待することが困難であるときに行い、みだりにこれを行つてはならない。
チ 点滴注射を行うに当たつては、これが長時間かつ長期にわたることにより、患者の心身の機能又は健康回復への意欲の低下等を招くことのないよう十分に配意しなければならない。

六 手術及び処置
イ 手術は、必要があると認められる場合に行う。
ロ 処置は、必要の程度において行い、みだりにこれを行つてはならない。

七 リハビリテーション
リハビリテーションは、必要があると認められる場合に行う。
七の二 居宅における療養上の管理等
居宅における療養上の管理及び看護は、療養上適切であると認められる場合に行う。

八 入院
イ 入院の指示は、療養上必要があると認められる場合に行い、療養上入院の必要がなくなつた場合は、速やかに退院の指示を行う。
ロ 単なる疲労回復、通院の不便又は家庭事情等のための入院の指示は行わない。
ハ 保険医は、患者の負担により、患者に保険医療機関等の従業者以外の者による看護を受けさせてはならない。
ニ 入院の継続は、患者の病状に照らし、常にその要否を判定するとともに、慢性疾患により入院が長期にわたる者については、特にこの判定を適切に行わなければならない。
ホ 患者の退院に際しては、必要に応じ本人又はその家族等に対し、適切な指導を行うとともに、退院後の担当医師に対する情報の提供及び保健サービス又は福祉サービスを提供する者との連携に努めなければならない。


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